メタデータ制作フレームワーク

ネットワークの帯域やハードディスク容量やコンピュータの処理能力の増大とともに、動画コンテンツは増加の一途をたどっていますが、動画のデータはテキストデータとは違い、いまのところ容易には検索できません。たとえば、YouTubeでは、動画をアップロードする際にユーザにキーワードを付与させることで、検索性を高める工夫を行っていますが、よりきめ細かい内容を検索するためには情報が不足しています。
ここでもし、動画に対して、

- この番組の製作者はAAA
- 2006/05/10 18:00:00.000 から 18:01:30.000 まで、オープニング
- 2006/05/10 18:10:45.000 から 18:11:12.367 まで、 BBBのインタビュー
- ....

といった情報も付加されていれば、「過去一週間に放送された番組の中でXXさんが出ているシーンのダイジェスト」といった検索が可能となります。もちろんこのようなメタ情報(情報のための情報)は、現段階では非常に少なく、また、人手で付加するのは現実的ではありません。
NHK技研では、以前より動画データに対してメタ情報を自動的に付加する研究を行っており、一般公開などでその成果を公開しています。以前見たメタ情報の利用法としてなるほどどと思ったものには、

- 観客の歓声の大きい部分に印をつけておく。スポーツの実況中継で観客の歓声が大きいシーンは盛り上がっている場所なので、その印の周辺を集めると見所のダイジェストができる。
- 選手の背番号を画像認識し、時間情報とともに記録しておく。そうすることで、誰がいつ出ているのかがわかる。

などがあります。

先日、そのNHK技研より、メタデータを自動生成するための補助ツールがメタデータ制作フレームワーク (Metadata Production Framework)として公開されました。これは、.NET Frameworkを利用して作成されており.NETFramework 対応言語 (C#など)で独自モジュールを追加できるようになっています。サンプルコードも付属しています。

みなさんそれぞれの
得意分野の解析技術を
モジュールにして
お互い交換することで
メタデータの基盤が発展します
是非、ご参加ください。

とのことなので、微力ながら参加したいと思います。

なお、動画向けメタ情報の標準規格として、 MPEG-7 というものがあります。MPEGと名が付いていますが動画圧縮の形式ではなく、テキストデータ(XML)です。このツールの出力するファイルもこの形式です。
 初出: 2006/05/26 02:28 ささお * 内容は随時追記・更新しています。
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